憂うつ、不安、パニック、不眠、イライラ、気力・集中力・食欲の減退など自覚症状が強度であり、仕事や社会学的機能に悪影響を及ぼしている方に対して、精神科の薬を勧められる場合があります。その場合、目黒カウンセリングセンターのセラピストにより、処方箋を出して頂ける当センターと親しい関係を持つ日本の医師へ紹介します。薬に関するアドヴァイスを当該医師が確認し、全ての医療に関して責任を持っています。副作用や用量変更について、セラピストはアドバイスをすることはできますが、最終確認は担当医師にしなければなりません。また、当センターが紹介した医師以外の医師へ相談する場合、その医療の質、また、自分のセラピストが勧めた処方を出してもらえるかどうかについて当センターは保証できないのでお勧めしません。整合性のとれたカウンセリングと医療を受けることによりより円滑な治療過程及び治療効果を得られると思われますので、できるだけ、当センターが関係を持つ医師から医療を受けるようにお願いします。目黒カウンセリングセンターでは、薬局と何らかの法的や金銭的など関係はなく、くすりの質や患者と薬局の間で起こるトラブルに関する責任も負いませんのでご了承下さい。薬局からくすりを注文した際、薬局との関係はあくまでも患者と薬局の間に限られます。
勧められた薬に関する予想のできる主な副作用について、セラピストは説明できますが、考えられる全ての副作用を説明することは不可能です。公表されている副作用情報などで御確認はできますが、セラピストと担当医師が貴方を緊密に診ることに越したことはありません。 多くの副作用は軽度であり(例えば、軽度の胃の不快感、めまい、眠気など)、また、全ての患者が副作用を経験するとは限りません。担当医師も、貴方に全ての副作用を事前に説明することは不可能です。しかし、病気による症状を我慢するより、精神科の薬を服用した方が望ましいということは、貴方、担当医師、また、セラピストが3人ともに合意した上薬物治療方針を決定します。
あいにく、日本の医療制度では、医師の診察は数分間しかなく、掛かりつけのセラピストからの情報などである程度まで埋め合わせることもできますが、全ての副作用の説明や毎日付きっ切りで見守ることもできないため、副作用と思われる気になる症状があれば、直ちに掛かりつけのセラピスト及び担当医師へ連絡しなければなりません。当センターのセラピストは向精神薬の主な副作用に精通しており、担当医師と緊密な連絡を取り合いながら、薬に関しての情報を提供し、副作用に対して良心的に注意を払うことに務めます。 また、処方なしで薬剤の個人輸入や漢方薬(ハーブ)を服用する場合、日本の医師の処方又はその医師の書面での勧め(日本にない薬の場合)を必ずもらうようにお願いします。
飲酒について。 アルコールと精神科の薬を併用することによって、めまい、ふらつき、眠気などの症状が出る可能性があり、避けた方が安全です。 また、断酒薬(ノックビンなど)を服用する場合、どんなアルコール類(液体の咳止め薬、うがい薬、アルコール含有の香水、アフターシェーブローションなど)も避けなければなりません。また、抗うつ剤(パキシル、J-ゾロフトなど)、神経刺激薬(ベタナミンなど)のような向精神薬の処方を受けられる際、担当医師と相談を必ず行ってください。さらに、適度な飲酒でも、うつ病や不安症を拗らし、また、飲んだ翌日に神経が過敏になり(いわゆる「二日酔い」)、うつ病や不安症の治療妨害になる場合もあります。
睡眠薬について。 睡眠剤の服用により、夢遊病、妙な夢、次の日の健忘症又は混乱などが稀に現れます。また、睡眠剤を服用した際、服用直後に横にならないとふらつきや支離滅裂な発言をする場合があります。薬によって、次の日の睡魔や服用後に数時間だけで起きてしまうこともあります。何らかの副作用があると思われる場合(他人に、「夜の行動が可笑しいです」と言われる場合など)、担当医師及び掛かりつけのセラピストに直ちに連絡して下さい。
薬と運転について。 精神科の薬を服用する場合、必ずしも車や自転車などの運転や危険と思われる機械操作は止める必要はありませんが、場合により、薬で悪影響を及ぼすこともあります. 車の運転、機械の使用の安全について担当医師と相談の上、ご自分で確認しなければなりません。疑問があれば、このような活動を避けた方がいいかもしれません。異常を感じていれば、車の運転を確認するのに、運転免許の試験所で評価してもらうことが可能です。
転倒のリスクについて。 稀に、精神科の薬によって、立ちくらみやふらつきが現れます。特に、高齢者の場合、転倒すれば股関節骨折の恐れがありますが、若い方も注意が必要であり、当該症状があれば、直ちに担当医師及び掛かりつけのセラピストに相談するようにお勧めします。高齢者の場合、ご自宅を「転倒対策用」(英語のみ)にすることが無難です. 睡眠剤を服用する場合、服用直後に横になれば、転倒するおそれは軽減できます。
暑い気候、日焼け、発汗について。 向精神薬によって暑い気候の体温調節はできにくく、抗精神病薬を服用する場合、太陽に敏感に日焼けしてしまう可能性があります。また、リチウム(商品名:リーマス)を服用している場合、発汗による脱水のナトリウム欠落のためリチウムが体内に溜まってしまい、リチウム毒性が生じやい危険な状態になります(下痢があったときも同様)。涼しい場所で過ごし、サンバイザーや日傘及日焼け止めを使い、また、特に暑いときのスポーツや重労働をする場合、電解質補給するスポーツ飲料(例えば、「OS-1」)を飲むように対応するなどのが大事です。
他の薬との併用について。 風邪薬、内科・精神科の薬、市販薬などを精神科の薬と併用すると「薬物間相互作用」による症状がでる場合があります。しかし、風邪薬を処方されるだけで精神科の薬を中止することも危ないです(下記の「服薬中止について」をご参照下さい)。例えば、抗うつ剤であるSSRIのタイプとMAOIのタイプ(日本にない)は危険で、抗うつ剤であるルボックス又はデプロメール(一般名:フルボキサミン)とジプレキサ(一般名:オランザピン)との併用は副作用が出やすく、トラマール(一般名:トラマドール)という鎮痛剤と抗うつ剤との併用も危険です。薬物間相互作用、いわゆる、併用開始との時間的関係がありそうな症状がでていないか、ご注意をお願いします。薬を併用する際、必ず担当医師及び掛かりつけのセラピストと相談した上行ってください。
薬の過量又は少量を飲む場合。 誤って、又は意図的に薬の用量を少なくして服用すると効果が足りなくなり、再発、又は退薬症候(禁断症状)がでる可能性があります。誤って、又は意図的に薬の用量を増やして服用すると副作用(毒性)がでる場合があります。
意図的に過量服薬するのはとても危険です。救急外来に運ばれ、胃洗浄、点滴、気管支挿入措置を行われ、不整脈、痙攣、昏睡、生命を脅かす状態に陥る可能性があります。薬の過量又は少量を飲む場合、直ちに担当医師及び掛かりつけのセラピストへ御連絡下さい。
体重増加について。 SSRI抗うつ剤やその他の精神科の薬剤(特に非定型抗精神病薬)によって、数キログラムの体重増加がたまにみられます。薬による体重増加は、徐々に出てくるので体重を定期的に計り、増える兆しがあれば、担当医師及び掛かりつけのセラピストとの相談した方がいいと思われます。
服薬中止について。 急に服薬を止めると病気の症状が急に悪化し、禁断症状(めまい、不眠、体に電気が急に流れているような感じなど)がでる可能性があります。薬が切れないようにクリニックの予約をきちんと守り、念のため予備の薬を、いつも持っているバッグのなかに入れておくようにお勧めします。服薬を止めても、多くの薬剤及び薬剤による効果が体内に残り、服用中止後、暫く再発症状がなく、「薬はもういらない」という誤った結論をしがちです。薬を止める際、必ず、担当医師及び掛かりつけセラピストの指導の下で行ってください。
症状の悪化について。 稀に、薬物療法によって精神症状も引き起こし、治療目的の疾患も悪化する場合はあります。例えば、不眠、不安、憂うつ、頭痛、死にたい気持ちなどは挙げられます。薬と関係なく、治療目的の症状は自然に悪化する場合があります。症状が悪化した場合、薬によるものか、病気自体(うつ病など)が自然に悪化しているのか、担当医師及び掛かりつけのセラピストに相談の上、方針を決めて行かなければなりません。
SSRI抗うつ剤による自殺行動及び攻撃性について。このような症状は、児童の服用において稀にみられておりますが、緊密に監視すれば予防・対応は可能です。しかし、抗うつ剤と自殺行動の関連について米国の健康食品局の発表をマスコミが報道した結果、抗うつ剤の処方数が減少したとともに、自殺率が上昇した米国のデーターからみて、SSRI抗うつ剤による自殺行動より、うつ病による自殺のリスクがかなり高いことが解りました。また、もとの警告で使われた米国のデーターの再分析、及び新規の大規模な研究の結果、 SSRI抗うつ剤を処方するより処方しないリスクが高いことを確認できました。少量から漸増、投与開始から緊密に監視、他の薬との併用、禁煙を開始したとき(タバコは抗うつ剤の代謝を早める可能性もあるから)、抗うつ剤を漸減中止するなどの監視をすれば、リスクは十分軽減できると思われます。
妊娠について。 精神科の薬を服用中に、妊娠の可能性があれば掛かりつけのセラピスト及び担当医師に相談するようにお願いします。また、妊娠が確認されたときに直ちに掛かりつけのセラピスト及び担当医師に連絡してください。一人ひとりの状況に応じてリスクと利点を評価し、特に治療対象の問題や薬剤の種類、用量などをみてから判断しなければなりません。医師による監視なしでの薬剤の中止は危険ですので、しないようにお勧めします。ある薬剤は初期(13週まで)のみ中止する必要があり、ある薬剤は妊娠中で中止する必要があり、ある薬剤は、新生児における禁断症状や行動の異常を避けるため、出産2-3週間前から漸減中止しなければなりません。多くの精神科の薬は奇形のリスクは少ないものの、精神科の症状が軽度であれば、妊婦の場合、漸減中止した方が無難でしょう。しかし、重度の精神疾患を有している妊婦の場合、妊娠しても薬を飲まないと症状がひどく再発し、妊娠を続けられないケースが少なくありません。倫理的な理由で妊婦に対する薬と危険の研究はできないのでデータが足りないですが、臨床情報としてリーマス(一般名:リチウム)、テグレトール(一般名:カルバマゼピン)及びデパケン(一般名:バルプロ酸ナトリウム)による胎児への悪影響があるではないかと勧告されております。授乳と精神科の薬剤の服用についても、掛かりつけのセラピスト及び担当医師に相談するようにお願いします。
効果について。 精神科の薬による効果は、直ぐ出て来る場合もあり(睡眠剤、ADDに対する薬など)、時間をかけて出て来る場合もあります。特に抗うつ剤の場合、薬の副作用(めまい、腹部の違和感など)がでないように、効き目は期待できない少量からゆっくり治療用量まで増量する必要があります。また、治療用量まで増やしても、効果がでるまで待たなければならない場合もあり、時にはその薬剤の種類で効き目を得られなく、種類を変更したり、上乗せしたりなど調整しなければならない場合も少なくありません。精神科の薬物療法を受ける際、患者さんの努力及び辛抱が必要です。
血液検査及びその他の検査について。 血液検査などの臨床検査を、精神科の薬物療法を開始前に行う方針を持つクリニックや病院があります。海外の学会ではその傾向が強いかもしれないですが、事前検査は臨床的に必須ではなく、多くの日本の医師は薬物療法を開始後にて実施しております。主な検査として、リーマス(一般名:リチウム)を服用するとリチウムの血中濃度・甲状腺ホルモン・腎機能を計り、非定型抗精神病薬を服用する場合において、体重及び血糖・血液脂質をフォローし、テグレトール(一般名:カルバマゼピン)及びデパケン(一般名:バルプロ酸ナトリウム)を服用すると肝機能・白血球・薬物の血中濃度を計り、三環系抗うつ剤を服用すると心電図、ADD・ADHDの精神刺激剤を服用した場合心電図及び血圧をフォローした方がいいと勧められており、うつやADDの治療薬であるベタナミン(一般名:ペモリン)の場合、肝機能を検査しなければなりません。
臨床検査の実施について、貴方の掛かり付けのセラピストは担当医師との整合性をとることはできますが、医師によって方針が多少異なり、また、多くのクリニックは多忙のため、臨床検査が伸ばし伸ばしになりそうな場合、ご自分で担当医師に検査を要求しなければなりません。掛かり付けのセラピストの力を借りれば、良好な医療を受ける可能性は十分あります。
精神科の薬物療法及び副作用について、このページでは話し尽くすことはできませんが、主な問題を提供し、掛かり付けのセラピスト及び担当医師との緊密なフォローの必要性を説明をさせて頂きました。当センターでは、ネットで個人輸入をしても、全ての薬剤及び漢方薬(ハーブ)などを服用する場合、必ず日本の医師免許を持つ医師の監視下で行い、臨床検査及び臨床情報をフォローしてもらえば、問題があるときに早急に対応することができます。
掛かり付けのセラピスト及び担当医師との連携で最適な効果を得るための薬剤の仕組みを見付かるまでご辛抱及び努力が必要です。多くの副作用(例えば、口の渇きや腹部の違和感など)は薬を飲みながらよくなりますが、薬を中止しない限りよくならない副作用もあります(例えば、発汗、体重増加、性機能障害など)。耐えにくい副作用があれば、薬を中止、減量するか、必要に応じて種類を変更することができます。このように治療して、辛い病気による症状と一緒に生活していくより、病気のない快活な人生を送れるように一緒に進みましょう。